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CANとは「Controller Area Network」の略で、シリアル通信プロトコルの一種です。CANと聞くと多くの方が、自動車内ネットワークを連想されると思います。
元々CANは自動車内ネットワークで使用することを前提に開発されました。
私たちの生活に欠かせない自動車ですが、近年では高機能化が進み、これまでには必要の無かった様々な部品が自動車内に搭載されるようになってきました。 部品が増えるということはそれらを接続するための配線もまた、増えるということになります。
また、省エネルギー化の波が押し寄せ、少ない燃料でより効率の良い走りが期待されています。
このように一見矛盾した様に見える二つの要望を満たす為、新たな技術を開発する必要が出てきました。
そこで考えられたのが、自動車内で使われている配線の数を減らせないかということです。 例えば自動車内にスイッチや、センサを取り付けていくと、それらを集中管理しているところまで配線を行う必要があります。
そこで自動車メーカ各社は、各種信号をシリアルデータに変換し独自のプロトコルで通信を行い、配線の数を減らすことに成功しました。 しかし、規格が統一されていない為、開発の効率、部品の流通性の面では思うように改善が進みません。
1980 年代後半、ドイツの電装メーカ BOSCH 社により開発されたCANは、その仕様をオープンとすることで、多くの半導体メーカにより対応チップが開発、ISO による規格化も行われ、瞬く間に自動車内ネットワークの標準として位置づけられることになりました。
また、フィールドバス(工業用途データバス)の一種である、DeviceNet の基礎技術としても使用され自動車の中だけにとどまることなく、幅広い分野で活用され始めています。 |
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CANとは? | ●CANとは? CANとは「Controller Area Network」の略で、シリアル通信プロトコルの一種です。CANと聞くと多くの方が、自動車内ネットワークを連想されると思います。元々CANは自動車内ネットワークで使用することを前提に開発されました。私たちの生活に欠かせない自動車ですが、近年では高機能化が進み、これまでには必要の無かった様々な部品が ...
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CANの特徴 | ●CANの特長 ◆ 低コスト・省配線CAN は各デバイスをシリアルで接続するため、全体の配線コストを下げることができます。また、多くの半導体メーカよりCAN 対応IC が販売されており、価格競争面で優れています。◆ 高信頼性自動車内ネットワークということで、高い信頼性を誇っています。外部からのノイズに強い差動信号で外部からのノイズの影響を受けにくくし、デ ...
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CANプロトコル概要 | ●CANプロトコル概要 CAN のプロトコルは、BOSCH 社の仕様書で規定されています。 OSI 基本参照モデル CAN プロトコルは、OSI 基本参照モデルの1,2,4層を含むプロトコルです。このうち、1 層と4 層については、一部しか規定されていません。 CAN プロトコルを使用する際には、電気的仕様などを決める必要がありますが、上記の様に、CA ...
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CANのバージョン | ●CANのバージョン 先述したBOSCH 社で規定されているCAN プロトコルには、幾つかのバージョンが存在します。それらをまとめたのが以下の表です。 バージョン2.0A2.0B パッシブ2.0B アクティブ IDのビット数11ビット29ビット29ビット 備考29ビットIDを受信するとエラー発生。送信は11 ビットのみ29ビットIDを受信してもエラーは発 ...
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バスレベルとビット | ●バスレベルとビット CANバスには二つのレベルがあります。ドミナントとレセシブと呼ばれる状態です。CANバスは、必ずこの二つのレベルのうちどちらかのレベルになります。論理的にはドミナントが“0”、レセシブが“1”を指します。CANはバス接続なので、同一バス上に複数の端末が接続され、それぞれが送信を行います。この際、一つでもドミナントを出力する端末がある ...
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調停の仕組み
(優先順位の決定方法) | ●調停の仕組み(優先順位の決定方法) CAN の一つの大きな特長に、この調停の仕組みが挙げられます。バス上で複数の端末が同時に送信を開始した場合、送信されたメッセージに含まれるID 等を用い優先度を判断し、より優先度の高いメッセージがバス上に生き残り、優先度の低いメッセージは再送することになります。では、どうやって優先度の判断を行っているのでしょうか? ...
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ビットスタッフ | ●ビットスタッフ CAN プロトコルでは、連続した同一ビットが続くことによる、同期ずれのエラーを防止するため、ビットスタッフを行います。ビットスタッフとは、連続した5 ビットの同一レベルが出力された場合、次に1 ビット、反転したビットを付加します。このビットは受信する際には取り除かれて受信されます。なお、この処理が行われるのは、後述するデータフレームとリ ...
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フレームの種類 | ●フレームの種類 CAN では、フレームという単位で送受信を行います。以下の種類のフレームがCAN では定義されています。 フレームの種類主な役割 データフレーム送信データ リモートフレーム送信を要求する エラーフレームエラーを通知する オーバーロードフレーム受信が出来ないことを通知する インターフレームスペースフレームとフレームの間隔をあけ ...
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データフレーム | ●データフレームの解説 データフレームについて解説致します。データフレームはメッセージの送信の際に使用します。最大で8 バイトまでのデータを含むことができます。データフレームの構成は以下の通りです。大きく分け、7 つのフィールドで構成されています。先頭から・ Start of Frame・ Arbitration field・ Control field・ Dat ...
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リモートフレーム | ●リモートフレームの解説 リモートフレームは、データ本体を持たないデータフレームの様に見えます。通常、受信側の端末から、送信側の端末へデータ送信を要求する際に使用します。リモートフレームの構成は以下の通りです。大きく分け、6 つのフィールドで構成されています。先頭から・ Start of Frame・ Arbitration field・ Control ...
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エラーフレーム | ●エラーフレームの解説 エラーフレームについて解説致します。エラーフレームはエラーを検出した端末が他の端末にエラーを通知する際に使用します。データフレームの構成は以下の通りです。標準・拡張フォーマット共通です。大きく分け、2 つのフィールドで構成されています。先頭から・ エラーフラグ・ エラーデリミタという名前がついています。エラーフレームの送信のタイミ ...
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オーバーロードフレーム | ●オーバーロードフレームの解説 オーバーロードフレームについて解説致します。オーバーロードフレームは受信側端末の受信準備が整っていないときに送信されます。オーバーロードフレームの構成は以下の通りです。標準・拡張フォーマット共通です。大きく分け、2 つのフィールドで構成されています。先頭から・ オーバーロードフラグ・ オーバーロードデリミタ オーバーロー ...
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インターフレームスペース | ●インターフレームスペースの解説 インターフレームスペースについて解説致します。インターフレームスペースは、データフレーム、リモートフレームの、フレーム間を分離する為に送信されます。インターフレームスペースの構成は以下の通りです。大きく分け、3 つのフィールドで構成されています。先頭から・ インターミッション・ サスペンドトランスミッション・ バスアイド ...
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アクセプタンスフィルタ | ●アクセプタンスフィルタ メッセージのフィルタ受信フィルタ、アクセプタンスフィルタとも呼ばれる機能です。CAN バス上を流れるメッセージを取り込む際、フィルタをかけることで特定のメッセージのみを取り込むことができます。この機能によってPCIバスを流れる不要な受信データの削減や、CPUで有効な受信メッセージを選択する負荷を低減するのに有効です。フィルタの数は、最大2種類です。フィルタの有効無 ...
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ボーレートとサンプリング | ●ボーレートとサンプリングポイント CAN通信のボーレートとサンプリングポイント(CANバス上の1ビットの信号をどのタイミングで参照するか)は同じ設定値で定義されます。弊社ドライバソフトウェアの場合は「CAN_PORT_CONFIG 構造体のメンバulBaudRate」によって定義されます。コラムでは設定値の例とサンプリングポイントの変更について説明します。弊社CANドライバソフトウ ...
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エラー状態 | ●エラー状態 CAN プロトコルでは、CAN 端末の状態として3 種類の状態を定義しています。・ エラーアクティブ・ エラーパッシブ・ バスオフCAN 端末は、最初通信に参加していない状態ではバスオフです。通信に参加するとエラーアクティブとなります。正常に通信が行えている間はエラーアクティブを維持します。エラーを起こしやすい状態になると、エラーパッシブ ...
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エラーの種類 | ●エラーの種類 CAN では、以下の5 つのエラーが定義されています。・ ビットエラー・ スタッフエラー・ CRC エラー・ フォームエラー・ ACK エラーエラーが発生した場合、自分自身のエラー状態に合わせエラーフレームの送信を行います。ビットエラーCAN では送信を行う端末がバスを監視し、1 ビット毎に自分の出力したレベルと同じかをチェックします。も ...
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チャンネル間絶縁 | ●チャンネル間絶縁通信回路とデジタル回路の絶縁と更に各チャンネル間の絶縁します。各チャンネル間を絶縁することで、チャンネル間の電気的なつながりが無くなり、チャンネル毎にグランドレベルの異なる機器と接続できます。
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終端抵抗 | 終端抵抗終端抵抗とは、通信経路の末端を入れることにより、信号の反射を防ぐためのものです。ここでは弊社高速CAN, 低速CAN, DeviceNet製品の終端抵抗の組み込みについて回路図を用いて説明します。 【高速CAN】高速CAN(ISO11898-2)ではバスの両端に終端抵抗が必要です。弊社高速CAN製品ではディップスイッチやオプションケーブルによって終端抵抗を接続することができます。 デ ...
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CAN FDとは? | ●CAN FDとは? CAN FD (CAN with Flexible Data rate)とはCAN(Controller Area Network)のプロトコル拡張でISO-11898で規定されています。 伝送速度は最大1Mbps(車両内:500kbps)から1Mbps以上※に向上が計られており、名前の通りデータレートが可変となっています。 ...
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